グレーゾーン金利とは、「法律的に白(合法)でもない黒(違法)でもない金利」のことです。
一般的には消費者金融等の貸金業者が定めてきた金利がそれに当てはまります。
グレーゾーン金利が存在し得た原因は、お金の貸し借りに関する法律に抜け道があったためです。
利息制限法(民法)では、金銭の貸し借りで発生する金利の上限を20%と定めているのに対し、もう一つの法律である出資法(刑法、正式名称:出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律)では、29.2%と定められており、異なる金利上限が存在してきました。
民法である利息制限法には法的な罰則が無く、貸金業者に対する拘束力がありませんでした。
一方、刑法である出資法には、厳しい罰則が科せられるため、貸金業者は利息制限法を無視して出資法の上限を自社の利息上限の根拠として採用したわけです。
グレーゾーン金利は、この「利息制限法の上限20%〜出資法上限29.2%」の間の金利のことを意味しています。
高すぎる金利は多くの多重債務者などを生み出す原因ともなり、社会問題となりました。
現在では裁判所によっての判決でも、利息制限法の利息上限以上の利息は無効となる判決が下されています。
グレーゾーン金利は2010年(平成22年)6月18日より施行された貸金業法と出資法の改正により撤廃されました。
以後は利息制限法の上限金利以上の金利での契約は、超過部分につき無効となっています。
同時に、貸金業法と出資法の金利上限も利息制限法と同じく年利20%となりました。
また、貸金業者がグレーゾーン金利を成立させる根拠でもあった、貸金業法43条、通称「みなし弁済」も2009年に廃止されました。
この時同時に、借入総額に関する総量規制が導入され、貸金業者から年収の3分の1以上の借入をすることが制限されることになりました。
ただし、銀行や個人からの借入については、この総量規制の制限を受けません。
また、住宅ローンなどの一部の借入も総量規制は適用されないため、総量規制で消費者金融から新たな借金ができなくなった人でも、銀行などが提供するおまとめローンや借り換えローン、フリーローンなどの商品を利用することは出来ます。
尚、総量規制導入前に、すでに年収の3分の1以上の借入があったとしても、その超過部分をすぐに返済しなくてはならないわけでもありません。